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セリアの100円ラッカースプレー、正直どう?実際に使い倒して分かった「買い」の境界線

セリア ラッカースプレー

セリアの100円ラッカースプレー。結論から先に言ってしまうと、これは「小物をとりあえず黒くしたい」という衝動を最安値で叶えるための、最高に尖った消耗品だ。

もし君が、110円という価格に釣られて「これで古くなった自転車を全部塗り直そう」とか「ダイニングテーブルをリメイクしよう」なんて考えているなら、悪いことは言わない。今すぐその缶を棚に戻して、ホームセンターで800円のシリコンラッカースプレーを買うべきだ。セリアのスプレーで広範囲を塗ろうとするのは、例えるなら軽自動車で砂漠を横断しようとするくらい無謀なことだから。

でも、手のひらサイズのフィギュアや、100均で買ったプラスチックの味気ない収納BOX、あるいはDIYで余った端材を「ちょっと男前な質感」に変えたいだけなら、これ以上の選択肢はない。

実際に何十缶と使い倒して、時には液だれで作品を台無しにし、時にはその仕上がりに自画自賛してきた俺の、泥臭い経験談をここに置いておく。

100mlという「使い切り」の快感と絶望

セリアのDIYコーナーに行くと、ペンキやハケの隣に、妙にスリムな缶が並んでいる。それが件のラッカースプレーだ。容量は100ml。手に持つと、驚くほど軽い。

この「100ml」というサイズが、実はこの製品の最大の個性であり、同時に最大の罠でもある。

セリアのラッカースプレー

普通のホームセンターで売っているスプレーは300mlから400mlが主流だ。それに比べると、セリアのものは圧倒的に少ない。だが、これがいい。DIYをやっていると、ほんの少しだけ塗りたい場面がよくある。ネジの頭だけ黒くしたいとか、小さなフックを壁の色に合わせたいとか。そんな時、デカい缶を買うと、9割以上残ったまま物置の肥やしになる。数年後に発掘したときにはノズルが固まっていて、結局捨てるのに苦労する。

セリアの100mlは、まさに「今日、この瞬間のためだけ」に使い切れるサイズなんだ。

ただ、調子に乗って少し大きめの箱を塗ろうとすると、途端に絶望が襲ってくる。半分くらい塗り進めたところで、プシュッ……という力ない音とともに、塗料が霧状ではなく「粒」になって飛び散り始める。ガス圧が足りなくなるのか、塗料が底をつくのか、とにかく最後の一踏ん張りが効かない。

「あと少し、あと10センチだけ塗らせてくれ!」という願いも虚しく、中途半端に斑点模様になった作品を前に立ち尽くすことになる。だから、俺はいつも予備を含めて2缶買うことにしている。220円。それでもまだ、大手メーカーの1缶より圧倒的に安い。

ノズルとの格闘。100円の洗礼

このスプレーを語る上で避けて通れないのが、ノズルの精度の低さだ。

正直に言おう。セリアのスプレーのノズルは、かなり「機嫌」が悪い。 一流メーカーのスプレーなら、指の力加減である程度、霧の量をコントロールできる。しかし、セリアのそれは「出るか、出ないか」の二択に近い。

ラッカースプレー

しかも、吹き始めに「ボタッ」と大きな塊が飛んでくることがよくある。これを防ぐために、俺が決まってやる儀式がある。対象物に向ける前に、必ず空中に向かって一瞬だけ空吹きをするんだ。この「捨て吹き」を怠ると、せっかく綺麗にヤスリがけした表面に、消えないシミのような塗料の塊がこびりつくことになる。

それから、粒子の粗さも特筆ものだ。 きめ細やかなシルクのような塗装なんて、最初から期待してはいけない。どちらかというと、少しザラついた、ワイルドな仕上がりになる。でも、それが逆にいい味を出すこともある。特に「つや消しブラック」に関しては、その粒子の粗さが、まるで古い鋳物のような重厚感を演出してくれるから不思議だ。

色選びの真実:黒は神、白は修行

これまで、ブラック(艶あり・つや消し)、ホワイト、シルバー、クリアと一通り試してきたが、色によって難易度が全く違う。

一番の傑作は、間違いなく「つや消しブラック」だ。 これは本当に使い勝手がいい。プラスチックの安っぽいテカリを一瞬で消し去り、鉄のような質感に変えてくれる。隠蔽力(下の色を隠す力)も高く、2回も重ねれば、元の色が何色だったか分からなくなる。セリアのスプレーで迷ったら、とりあえずこれを選んでおけば間違いない。

逆に、一番の苦行は「ホワイト」だ。 これはもう、笑ってしまうくらい色が乗らない。元の素材が黒や茶色だった場合、何度吹いても下の色が透けて見える。1缶使い切ってもまだ「うっすらグレー」なんてこともある。白を綺麗に塗りたいなら、下地にプライマーを塗るか、素直に高いスプレーを買うのが賢明だ。100円で白を完璧に仕上げようとするのは、精神修行に近い。

シルバーは、意外と健闘している。 100円とは思えないほど、ギラッとした金属感が出る。ただ、乾燥した後に触ると、指に銀色の粉がつくことがある。定着力が少し弱いのかもしれない。だからシルバーを使うときは、必ず仕上げに「クリア」を吹くようにしている。

失敗から学んだ「お湯」の魔力

冬場にこのスプレーを使おうと思っているなら、一つだけアドバイスがある。 そのまま吹くのは絶対にやめろ。

気温が低いと、中のガス圧が下がって、霧がさらに粗くなる。最悪の場合、霧にすらならず、液体がそのまま垂れてくる。俺はこれで、お気に入りの木箱をドロドロにしたことがある。

解決策は簡単だ。40度くらいのぬるま湯をバケツに入れ、そこに缶を5分ほど浸けておく。これだけで、中の塗料が混ざりやすくなり、ガス圧も安定する。 「100円のスプレーにそこまで手間をかけるのか?」と思うかもしれない。でも、この一手間を加えるだけで、110円のパフォーマンスが300円分くらいには跳ね上がる。この「安物を自分の工夫で使いこなす」感覚こそが、DIYの醍醐味じゃないだろうか。

臭いと乾燥時間。100円の代償

セリアのスプレーを使っていて、一番「あ、これヤバいな」と思うのは、その臭いだ。

ラッカースプレーだから臭いのは当然だが、セリアのものは特に、鼻を刺すような鋭いシンナー臭がする気がする。室内で吹くなんて論外だし、ベランダでやるにしても、隣の家の洗濯物が干してあるときは絶対に避けたほうがいい。

乾燥時間についても、缶の裏書きを鵜呑みにしてはいけない。 「夏期30分」と書いてあっても、それは表面が乾くだけの話だ。中までしっかり固まるには、最低でも半日は放置すべきだ。 俺は以前、1時間後に「もう大丈夫だろう」と触ってみたら、自分の指紋がクッキリと作品に刻印された。あの時の、自分の愚かさを呪いたくなるような絶望感。それ以来、俺はスプレーしたものは一晩寝かせることにしている。

結局、俺はまたセリアでスプレーを買う

ここまで散々、ノズルが悪いだの、白が乗らないだの、臭いだのと文句を書いてきた。 でも、俺はたぶん明日もセリアに行ったら、DIYコーナーでスプレーの在庫をチェックするだろう。

なぜか。 それは、この「110円で世界の色を変えられる」という手軽さが、何物にも代えがたいからだ。

高価なスプレーを使うときは、どうしても緊張する。「失敗したら800円が無駄になる」というプレッシャーが、自由な発想を邪魔する。でも、セリアならいい。失敗したって、また110円払って買い直せばいい。ヤスリで削って、また塗り直せばいい。

この「失敗しても痛くない」という感覚が、新しいことに挑戦するハードルを劇的に下げてくれる。 実際、俺の部屋にある小物の半分くらいは、セリアのスプレーで黒く塗りつぶされている。元々はバラバラの色だった100均のケースや、拾ってきた流木、古びた空き缶。それらが同じ「つや消しブラック」で統一されるだけで、部屋に不思議な一体感が生ま

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